京極堂や津原泰水「蘆屋家の崩壊」が好きな人には鉄板なのに、いまいちマイナーなのが「雪崩連太郎全集」なのだ。 ルポライターの雪崩が旅先で出会う因習風習呪具人形、そして女……幻想怪奇趣味たっぷりの、いわば闇の浅見光彦。ホラーとミステリの入り混じるオチは、三津田信三も思わせて凄いのだ!
「幽霊城」「悪霊館」はヨーロッパの呪われた古城や館、修道院を集めた写真集なのだ。 白黒ゴシックな赤外線写真&因縁の説明もたっぷりで読み応え十分。ウェイクフィールド、ヘンリー・ジェイムズらクラシックな英国怪奇譚の世界に浸れるのだ。 改めて表紙見たらなんかブラックメタル感がすごいのだw
「ゲームマシンはデイジーデイジーの歌をうたうか」小野不由美が90年代に出したゲームエッセイなのだ ゴーストハントを思わせるくだけた口調でFC〜PS期のゲームを語る、懐古ゲーブームの今こそ楽しい作品。熱いゲーム哲学や、怪談収集の話が出てきて(残穢の芽⁈)、コアファン向けだが興味深いのだ…
「犬の伊勢参り」面白かったのだ!江戸時代に、人の代わりに犬を伊勢神宮参りの長旅に出してたという驚きの事実を検証した本。 ワンコの首に路銀と木札を巻いて出し、旅人達が餌代と心付けを足し引きしながら、リレーのように伊勢へと導いたそうなのだ。豚や牛まで旅した例があるともw 江戸すげーのだ
若者の呪術離れがさけばれる今こそ「日本呪術全書」なのだ 密教陰陽道古神道から果ては大本教まで、膨大な図版と共にまとめた呪い大全。各宗派の呪術観や随所のコラムも面白く、一生読んでられる究極のテクスト! 物書きさんにもネタの宇宙。紙面から立ち上がる日本の暗黒精神史にくらくらするのだ〜
kindle最狂は「架空の歴史ノート 帝国分裂編」で決まりなのだ 小学生?と思しき字で謎の空想戦記が綴られたキャンパスノートを丸々スキャン!人類王朝、百万軍ミリオンフォース、不沈都市トノス、正テラ教…イカした固有名詞が乱舞する大ボリュームのクロニクル 段々上手くなる挿絵にも注目なのだ〜
「紙葉の家」はアメリカ文学最大の奇書なのだ 無限構造を持つ家に関する記録。膨大な紙片に書きつけられた、その記録への調書。調書を手に入れた青年の記録…幾重にも編まれたメタ構造と、作中に仕掛けられた罠の数々。真実と虚実の曼荼羅に眩暈がするのだ 何よりこの発狂した紙面!読む迷宮なのだ〜
一行小説系の本も随分増えたが、98年刊「世界は蜜でみたされる」は再評価したい名作なのだ ダンサーでもある異色の著者が描く短文は、詩と死の気配が濃密な幻想文学的ビジョン。高熱に魘された夜の夢で出逢う絵画のように、魔的な引力を放っているのだ 一文物語集の名で新版も出たが両方絶版なのだ?
伝説の打ち切りジャンプ漫画「惑星をつぐ者」がkindle化されてたのだ 人類が他種族に支配された宇宙。不可視の剣を武器に、呪われた因縁を清算すべく旅する男の物語 外連味溢れるキャラと深いテーマ、細部に宿る本格SFマナーが激渋!9話終了ながら繰り返し話題に上る隠れた名作、やっと読めたのだ〜
宮崎駿、大友克洋、荒木飛呂彦……数々の巨匠に影響を与えた伝説の漫画家・メビウス。彼が60歳で描いた「B砂漠の40日間」は驚異なのだ 下絵も修正もなし、完全一発描きのペン画集。コマ割や台詞が消失した絵物語は、精神世界を掘り起こしたように奇妙で静謐なのだ 線一本一本に神が宿ってるのだ〜!
あ、霊符切らしちゃった!そんな時は「呪術・霊符の秘儀秘伝」が便利なのだ 日本の呪術を基礎から説明しつつ、縁結びから亡霊成仏まで日常で役立つ100の霊符を掲載 他にも折符、禹歩、印法など幅広く紹介していて読み物としても楽しい作り。著者の大宮氏はより本格的な呪術の本も多数書いてるのだ〜
文豪のかっこいい写真コンテストやりたいのだ……(澁澤龍彦、江戸川乱歩、稲垣足穂、ボルヘス)