「薔薇は生きてる」は戦前に文學少女のバイブルとされた本なのだ 結核で亡くなった女の子の、8歳〜16歳までの日記や創作。狭い病室で奔放に生き、詩作を愛し、時に苦しむ様が綴られ、リアルな少女性が宝石のように輝いているのだ アライさんこの子の短歌が好きなのだ。幼い透明な世界が刺さるのだ〜
アライさんの推し妖怪図鑑は「妖怪百物語絵巻」収録の"ばけもの絵巻"なのだ 見よこのゆるかわいい妖怪たちw 明治時代のもの(推定)と比較的新しいが、作者不明、類話・類本なしの謎絵巻なのだ 今ウィキペディア見たら「研究が待たれる」と書いてあったが、真剣に研究する気無くしそうな画風なのだ〜
「乱れからくり」は、冒頭で隕石が降ってきて人が死ぬ驚天動地のミステリなのだw しかしてその先の仕掛けは巧妙かつ大胆。数多のからくり玩具、巨大迷路を擁し財宝が眠る"ねじ屋敷"と、表題通りのガジェット乱舞の果てに、見事な結末が待ってるのだ! マジシャンでもある泡坂妻夫らしい名品なのだ〜
狂った館と言えばウィンチェスターハウスが有名だが、日本にも二笑亭があったのだ 明治に「狂人が建てた化け物屋敷」と噂され、内部は、鋼鉄の床、五寸しかない押入、宙に伸びる梯子、和洋合体風呂など想像を絶する怪構造(主人は最後精神病院へ) 「定本二笑亭綺譚」はこの館に迫る数少ない本なのだ〜
若者の呪術離れがさけばれる今こそ「日本呪術全書」なのだ 密教陰陽道古神道から果ては大本教まで、膨大な図版と共にまとめた呪い大全。各宗派の呪術観や随所のコラムも面白く、一生読んでられる究極のテクスト! 物書きさんにもネタの宇宙。紙面から立ち上がる日本の暗黒精神史にくらくらするのだ〜
kindle最狂は「架空の歴史ノート 帝国分裂編」で決まりなのだ 小学生?と思しき字で謎の空想戦記が綴られたキャンパスノートを丸々スキャン!人類王朝、百万軍ミリオンフォース、不沈都市トノス、正テラ教…イカした固有名詞が乱舞する大ボリュームのクロニクル 段々上手くなる挿絵にも注目なのだ〜
「紙葉の家」はアメリカ文学最大の奇書なのだ 無限構造を持つ家に関する記録。膨大な紙片に書きつけられた、その記録への調書。調書を手に入れた青年の記録…幾重にも編まれたメタ構造と、作中に仕掛けられた罠の数々。真実と虚実の曼荼羅に眩暈がするのだ 何よりこの発狂した紙面!読む迷宮なのだ〜
一行小説系の本も随分増えたが、98年刊「世界は蜜でみたされる」は再評価したい名作なのだ ダンサーでもある異色の著者が描く短文は、詩と死の気配が濃密な幻想文学的ビジョン。高熱に魘された夜の夢で出逢う絵画のように、魔的な引力を放っているのだ 一文物語集の名で新版も出たが両方絶版なのだ?
伝説の打ち切りジャンプ漫画「惑星をつぐ者」がkindle化されてたのだ 人類が他種族に支配された宇宙。不可視の剣を武器に、呪われた因縁を清算すべく旅する男の物語 外連味溢れるキャラと深いテーマ、細部に宿る本格SFマナーが激渋!9話終了ながら繰り返し話題に上る隠れた名作、やっと読めたのだ〜
宮崎駿、大友克洋、荒木飛呂彦……数々の巨匠に影響を与えた伝説の漫画家・メビウス。彼が60歳で描いた「B砂漠の40日間」は驚異なのだ 下絵も修正もなし、完全一発描きのペン画集。コマ割や台詞が消失した絵物語は、精神世界を掘り起こしたように奇妙で静謐なのだ 線一本一本に神が宿ってるのだ〜!
あ、霊符切らしちゃった!そんな時は「呪術・霊符の秘儀秘伝」が便利なのだ 日本の呪術を基礎から説明しつつ、縁結びから亡霊成仏まで日常で役立つ100の霊符を掲載 他にも折符、禹歩、印法など幅広く紹介していて読み物としても楽しい作り。著者の大宮氏はより本格的な呪術の本も多数書いてるのだ〜
文豪のかっこいい写真コンテストやりたいのだ……(澁澤龍彦、江戸川乱歩、稲垣足穂、ボルヘス)