水木先生の作品は自然を緻密に描き、人物を漫画っぽいデフォルメされた絵にする特徴があります。 劇画ヒットラーに登場する、この人物の絵はその極地だと思います。
水木先生の貸本作品で「プラスチックマン」(1958年)という作品のコマをいくつか紹介します。 プラスチックマンはかまぼこになってしまったり、トランクに化けたりしています。相手を取り囲む技は鬼太郎ではなく猫仙人の技ですね。
水木先生とつげ先生は、背景の使い方が真逆。水木先生が描く背景は、常に人間以外の大自然という大きな存在が主体で、人間をちっぽけなものとして表現する。 つげ先生は、全て人間が主体。心象を描く為に背景や自然現象が存在する。