こうして話してるとあの縁側を思い出す あそこにいる時が1番楽しかったな 優しくてまともだったおばーちゃんはかあさんにとって唯一の拠り所だったんだろう 亡くなってからも一部を切り取っておくくらいだしなあ お陰で鼻が効かなくなった話はしなかった これ以上あんたの泣く所を見たくない
あれの事を話すと言葉に詰まったけど あなたには前を向いていて欲しいというので覚悟が決まった 帰り際にくれた手作りの焼き菓子はかあさんがおかしくなる前によく焼いてくれたものに似ていて とても懐かしい薫りがした 取り戻したんじゃない、ただ一歩前に踏み出せたんだろう さあもう行かなきゃ