「殺したのは隣の席の、いつも虐めてくるアイツ。もう嫌になって肩を突き飛ばして、打ちどころが悪かったんだ。」要らないものは全部壊していこう。あの写真も、あの日記も今となっちゃもう要らないさ
宛もなく彷徨う蝉の群れに、水も無くなり揺れ出す視界に、迫り狂う鬼たちの怒号に。バカみたいにはしゃぎ合い、ふと君はナイフをとった。「君が今まで傍にいたからここまで来れたんだ。もういいよ、もういいよ」
九月の終わりにくしゃみして、六月の匂いを繰り返す。君の笑顔は、君の無邪気さは、頭の中を飽和している。「誰も何も悪くないよ、君は何も悪くないから。もういいよ、投げ出してしまおう。」