フィンランド1年生のはなし (1/5) 働いていたレストランの倒産後、まず直面したのは就労ビザの問題だった。 "すぐに新しい仕事を見つけないと…" 焦る気持ちでの転職活動では、雇用主ありきの危うさを感じる出来事もあった。 それでもビザや生活のことだけを考えれば、どんな要望ものんだ方が安全だ。 だけど…ようやく「自分の暮らしは自分で作る」ことを決めて踏み出したばかりだったのに、また望まない生き方をするのだろうか? 実は倒産したのは、バーンアウトを目前にして長らく続けてきた"正社員で週5働く"という「自分の中の当たり前バス」を降りたばかりのタイミングだった。 "でも、私にできることはこれしかないよね…" そんな気持ちを抱えながら向かったTE-toimisto(フィンランドのハローワーク的な機関)の就職相談で問われた質問。 「あなたが、本当にやりたいことは何ですか?」 答えに詰まる私に、アドバイザーさんは考えうる全ての選択肢を提示してくれた。その中には、自分では考えもしなかった"フィンランドで個人事業主になる"という選択肢もあった。ビザの取得率は低いけれど、それも選択肢の1つだと。 「少し考えてみます」とアドバイザーさんに伝え、たくさんの資料をもらって帰路についた。 失業とビザの不安で "少しでも出来ることがあるなら、それを活かしてすぐにどんな環境でも働かなきゃ。それが今できる私の全てだ。" そう思っていた私にとって、「できることではなく、やりたいことは何ですか」と問われた就職相談は、人生の視野を広げてくれるきっかけになった。
フィンランド1年生のはなし (3/5) 私の誕生日はクリスマスの12月25日で、8歳の時にフィンランドのサンタクロースに手紙を書いたのがフィンランドを好きになる最初のきっかけだった。