屋敷の主人の貞子さんとお手伝いのハルさん。 ハルさんは床下の家を見つけたりホミリーをビンに入れたりする展開のため、アップになったときにインパクトのある顔になるデザインに。 身近にいる老人の宮崎監督と高畑監督を意識したところも…
貞子さんは最終的に作画監督の賀川さんがまとめてくれて、美人のおばあさんに。ハルさんは声を演じていただいた樹木希林さんに似てると言われますが、あてがきではないです。
制作が始まって間もないくらいにこういう配置になったかな? 宮崎監督はメインコーナーに入って来て何か言うことはなかったけど、QARで作画チェックしてるのはよくのぞかれた。
アフレコはジブリ社内で行われる。 主役の志田未来さんで3日、神木さんは1日の収録。 二人は同い年だし、ドラマでも共演しているので、かけ合いはバッチリ! 神木さんは何度もジブリでやってるので慣れているので、初めてで緊張している志田さんにとっては心強かったのでは?
アフレコ初日は竹下景子さん、貞子さんにピッタリの上品なお声…! 貞子さんは僕は少女だと思ってるのですが、かわいい老婦人を演じてくださいました。 鈴木プロデューサーとも同郷で仲良し。
今夜はラピュタですね。 こちらは僕が唯一描いたラピュタ。 カレンダー用のイラスト(下絵)です。
「風立ちぬ」は「ポニョ」とは一転して影もしっかりついたコッテリ作画です。 二郎のメガネ周辺が面白いです。 止まっている部分も合成を使わずに同トレスにして息づいてる感じにしてます。(動画の人は大変だったでしょう)
翔が角砂糖をプレゼントしているのを見ているので、スピラーは自分なりに考えて野苺をプレゼントしようと思ったのでしょう。かわいいやつ。 あまり考えてないだろうけどアリエッティはそれを受け取る。 (小人たちの未来が明るいことへの願いを込めて入れたシーン)
脚本にはなかったけど、最後に翔に翔らしい言葉を発してもらって終わりにした。 翔は自分の運命と小人たちの運命を重ね合わせていた。アリエッティたちが元気に過ごしている限り、自分の心臓は動き続けるという、生きる宣言。 (冒頭の言葉があるので手術は成功したのでしょう)
宮崎監督からは容易にアリエッティを手に乗せてはいけないと言われていたけど、この手はジェントルマンの差し出す手だし、アリエッティが気持ちを変えて自分の意思で乗っているので大丈夫。 フィギュア愛好家の発想になることを宮崎監督は警戒していた。
青年の二郎の三等車と二等車のシーンは原画やりましたね。
原画を描くとき、僕はこんな感じに最初に全部の絵の計画とタイミングを作っちゃいます。 他の人の仕事のチェックするときは、これに足りなければ描き足すし、余計なら抜く。 どの絵が原画でどの絵が動画用参考か、わかりやすく組み立ててもらえるとチェックは助かります。