わざわざ返しに行こうと思うのがアリエッティ。 いいか悪いかは置いといて自分の決断にひたむきだ。 「挑まなくていい危険もある」という父の言葉は忘れていると思われる。
クリップと赤い衣装はアリエッティ の戦闘服。髪を下ろしているときとクリップで留めているときの2種類のアリエッティを描けたのは良かった。 後ろの虫の羽は綺麗で気に入ってたけどここにしか出てこない。 なので「カニーニとカニーノ」で再登場させた。
ツタを登って翔の部屋に向かうアリエッティ。 このシーンは思いを込めて描きました。 何かに向かってひたむきに進むというのは美しいと思う。先のことを考えるより前に行動を始めるのも良き。
この作品はジブリ作品では欠かせない「空」があまり出てこない。 アリエッティにとっては周りが巨大物ばかりで空は狭いだろうけど、初めて屋根の上に登ったこのときには、束の間でも違う角度から見た世界を見せてあげたかった。
今夜はラピュタですね。 こちらは僕が唯一描いたラピュタ。 カレンダー用のイラスト(下絵)です。
「風立ちぬ」は「ポニョ」とは一転して影もしっかりついたコッテリ作画です。 二郎のメガネ周辺が面白いです。 止まっている部分も合成を使わずに同トレスにして息づいてる感じにしてます。(動画の人は大変だったでしょう)
翔が角砂糖をプレゼントしているのを見ているので、スピラーは自分なりに考えて野苺をプレゼントしようと思ったのでしょう。かわいいやつ。 あまり考えてないだろうけどアリエッティはそれを受け取る。 (小人たちの未来が明るいことへの願いを込めて入れたシーン)
脚本にはなかったけど、最後に翔に翔らしい言葉を発してもらって終わりにした。 翔は自分の運命と小人たちの運命を重ね合わせていた。アリエッティたちが元気に過ごしている限り、自分の心臓は動き続けるという、生きる宣言。 (冒頭の言葉があるので手術は成功したのでしょう)
宮崎監督からは容易にアリエッティを手に乗せてはいけないと言われていたけど、この手はジェントルマンの差し出す手だし、アリエッティが気持ちを変えて自分の意思で乗っているので大丈夫。 フィギュア愛好家の発想になることを宮崎監督は警戒していた。
青年の二郎の三等車と二等車のシーンは原画やりましたね。
原画を描くとき、僕はこんな感じに最初に全部の絵の計画とタイミングを作っちゃいます。 他の人の仕事のチェックするときは、これに足りなければ描き足すし、余計なら抜く。 どの絵が原画でどの絵が動画用参考か、わかりやすく組み立ててもらえるとチェックは助かります。