仏師の流れをくむ彫刻一家にたまたま生まれ、私自身は5代目の彫刻家です。田島享央己と申します。美術界の「フチ」にかろうじて手をかけている者ですので、どうかご存知のない方はこれを機会に覚えていただけると嬉しいです。https://t.co/ox6M5AAeOP
New painting Oil stick on canvas, 2026
小さい頃、由利徹が好きだった。 あの、縫い物をする芸である。 『花街の母』に乗せて、 由利徹が、 くたびれた和裁女のような顔で、 黙々と針仕事をする。 私はあれが好きで好きで、 どうしようもなかった。 特に好きだったのは、 針を日本髪にくしゅくしゅと擦り付ける動きである。
New drawing
食べると泣いてしまう、というのがある。 別に、美味いから泣くわけではない。 高級だからでもない。 むしろ、あまりにも普通のものの方が危ない。 熱い味噌汁とか。 少し伸びたラーメンとか。 握り飯とか。 誰かが「はい」と言って置いていっただけのものとか。
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小学生の頃、テレビにかじりついて見ていた江戸川乱歩の美女シリーズを四十数年振りに見ている。 妙なことに、内容はあまり覚えていないのに、 変装をペリペリ剥がす瞬間だけは、身体が覚えている。 探偵になりたかったという夢を、思い出してしまった。
家族で、山奥の遊園地に行った。 人はほとんどいない。 遊具はどれも少し古びていて、 動いているのか、ただ置いてあるだけなのか、よくわからない。 その中で、スワンボートに乗った。 これまで子供たちは、必ず大人と一緒に乗り物に乗っていた。 私と一人、妻と一人、という具合である。
《棒立ちはめんどくさいのか──田島享央己の省略と倫理について》 美術評論家 小難香椎之助
仏師の流れをくむ彫刻一家にたまたま生まれ、私自身は五代目の彫刻家です。田島享央己(たじま たかおき)と申します。美術界のフチにかろうじて手をかけている者ですので、どうかご存知のない方はこれを機会に覚えていただけると嬉しいです。 本を買ってください↓
ミュージシャンになりたいとしょっちゅう思う。 最近はやはり、エヴァリー・ブラザーズみたいになりたい。 兄弟がいない。 本気で、あゝ兄弟がいないと愕然とする。 しかも、私はあんな声を持っていない。 設計の段階で、もう詰んでいる。 だから、諦める。 実際には、諦めたというより、
2026年最初のドローイング
私は昔からロックが好きだ。 という言い方では、まったく足りない。 だから、ロックが好きです。なんてトンマなことは言えないのだ。 思春期のある時期から、私の体の半分くらいは、 木ではなく、ギターの音とドラムの音で出来ているのではないかと疑っている。
娘が「ババヌキヤロウヨ」と言うときの声は、いつも少し弾んでいる。 カードを配って、二回りもすると、 なぜかいつも、ジョーカーが娘のところに来てしまう。 まだ勝負は決まっていないのに、目が潤む。 泣かないようにしているのが、こちらにもはっきり分かる。 そして、負けると大泣きする。
子どもの前歯。「ヌケタヨ」と見せてくれる。 ちょっと不安で、ちょっと怖くて、どこか誇らしげで、 その全部が入り混じったあの顔は、ほんとうに格別だ。 笑うと、志村けんさんの『いいよなおじさん』みたいにトンマな表情になるのもまた良い。 あぁ、これは絶対に忘れない、と胸の奥で思う。