ミロのヴィーナスは左下腿が長い。欠損した像の骨格や筋を推測するには、像の復元と骨格の推測が重なる。復元案も色々と出いているが、何かを踏んでいるというのは、そうかもしれない。羽は違う気がする。
パルテノン神殿にオリュンポスの神々の彫刻を製作したフェイディアスとその製作コストを渋ったアテネの行政官。行政官の「誰も見ない背中側の作業代金は支払わない」との言い分に、フェイディアスは「神が見ている」と答えたとされる。後世に伝わるエピソードには脚色もあるが、彫刻の背中、気になる。
20世紀美術解剖学の巨匠ゴットフリード・バメスは板書の名手であった。リアルタイムで描かれる人体像は、知識と経験がそのまま反映される。角度を自在に変えることができるのは、頭の中に立体的な像が想起できたからだろう。写真はBammes. Malerei - Grafik - Künstler-anatomie. 2000. より。