パルテノン神殿にオリュンポスの神々の彫刻を製作したフェイディアスとその製作コストを渋ったアテネの行政官。行政官の「誰も見ない背中側の作業代金は支払わない」との言い分に、フェイディアスは「神が見ている」と答えたとされる。後世に伝わるエピソードには脚色もあるが、彫刻の背中、気になる。
20世紀美術解剖学の巨匠ゴットフリード・バメスは板書の名手であった。リアルタイムで描かれる人体像は、知識と経験がそのまま反映される。角度を自在に変えることができるのは、頭の中に立体的な像が想起できたからだろう。写真はBammes. Malerei - Grafik - Künstler-anatomie. 2000. より。
スペインの組織学者、版画家クリソストモ・マルティネス(1638-1694)。骨組織を研究し、達者な画力で図示するする傍ら、それまで体表の寸法から得られた人体プロポーションの基準点を人体内部に導き出そうと試みた。筋が含まれるプロポーション図は、古代エジプト以降の歴史でも非常に珍しい。