スペインの組織学者、版画家クリソストモ・マルティネス(1638-1694)。骨組織を研究し、達者な画力で図示するする傍ら、それまで体表の寸法から得られた人体プロポーションの基準点を人体内部に導き出そうと試みた。筋が含まれるプロポーション図は、古代エジプト以降の歴史でも非常に珍しい。
センチメートル法ができる前まで、寸法の基準は人体由来であった。この人体由来の尺度(人体尺)は、主に道具や建築の物差しとして使用され、美術領域では人体プロポーションに派生した。基準となった人体の部位は、毛髪から身長まであるが、中でも手が細かく採寸されている。
脊柱の側屈には概ね2種類ある。1つはなだらかに曲がるもの。もう1つは頸・胸・腰部の境界の可動性が高いもの。ジークフリード・モリール『造形解剖学』(1924)より。
リシェの『美術解剖学』に記載された教育理念。以下大意。「芸術家と呼ぶにふさわしい者は、最初から人に教わることなく形態を見て把握し、判断し、解釈する特別な才能を持つ。これは形態だけでなく色彩についても言える。そして各々の作家は、その気質に応じて独自の視点を持っている。(中略)」