古代ローマからルネサンスまでの人体観を伺い知る事ができる資料はほとんどない。まとまった資料として知られているのは、13世紀のヴィラールが残した羊皮紙製の画帖である。人体が幾何図形に当てはめて描かれている。図版は藤本康雄『ヴィラール・ド・オヌクールの画帖に関する研究』より。
美術解剖学の教科書の記述は、1つ1つの構造について、形状、働き、位置、起伏、割合、体表への影響などが書かれている。これらを参照することによって、図や写真を眺めただけでは気づかない要素が発見できるようになる。
最近、テキストの間に配置される小さな解剖図を眺めている。他者に見所を伝えるときになかなか効果的。1枚目:胸椎棘突起の向きと長さ。2枚目:胸骨の位置と高さ(胸椎全体の約半分)、3枚目:大胸筋付着部を示す補助線、肋軟骨と胸骨の連結様式など。"Grant's Method of Anatomy"より。
眼瞼の開閉。主に上眼瞼(上まぶた)が上眼瞼挙筋の収縮によって開く。上眼瞼は閉じた時に角膜(黒目)を覆う。下眼瞼は口を大きく開けたりしない限り開かないが、下瞼板筋という白っぽい平滑筋がある。