美術解剖学の教科書の記述は、1つ1つの構造について、形状、働き、位置、起伏、割合、体表への影響などが書かれている。これらを参照することによって、図や写真を眺めただけでは気づかない要素が発見できるようになる。
最近、テキストの間に配置される小さな解剖図を眺めている。他者に見所を伝えるときになかなか効果的。1枚目:胸椎棘突起の向きと長さ。2枚目:胸骨の位置と高さ(胸椎全体の約半分)、3枚目:大胸筋付着部を示す補助線、肋軟骨と胸骨の連結様式など。"Grant's Method of Anatomy"より。
眼瞼の開閉。主に上眼瞼(上まぶた)が上眼瞼挙筋の収縮によって開く。上眼瞼は閉じた時に角膜(黒目)を覆う。下眼瞼は口を大きく開けたりしない限り開かないが、下瞼板筋という白っぽい平滑筋がある。
体表の起伏をつながりの良い曲線で捉える方法は、20世紀初頭の教科書から記述されるようになったが、作例自体はルネサンスからある。古典を調査し、応用することも美術解剖学における内容更新の1つ。