19世紀ごろに盛んだった骨格を基準とした人体プロポーションの研究。骨格のみを基準とする場合には、問題が2点ある。皮膚と皮下組織の厚みが考慮されていないこと(特に頭部や足底など身長に関わる部分)。骨格標本を参考にした場合、連結が生体とズレていること(骨盤の後傾など)。
鼠径部の皮膚ヒダは案外に複雑。鼠径靭帯(鼠径ヒダ)は途中で途切れて別の皮膚ヒダにつながる。図の用語はほぼ廃語。上から、腹部の半円ヒダ、腰部ヒダ、鼠径ヒダ、恥骨上ヒダへと続く副ヒダ、大腿窩、大腿のヒダ。
同一作者(リシェ)による解剖図の更新。左が初出、右が後年。どちらもより正確になっている。一枚目:三角筋の中部に羽状角と母指の外転の加筆。二枚目:長頭の起始のねじれ、外側頭の起始に三角筋の圧痕、外側頭の下方に見える内側頭などの加筆。