ブリッジマンは、モデルなしに短時間で人体像が描けた。彼が教えていた学校に収蔵されている学生の素描の端に、ブリッジマンによる描き込みが散見される。書籍に掲載されたあっさりとした形態も、素描などの実技教育に合わせた調整だろう。
フランスの画家ジャック・ガムラン(Gamelin, Jcaques. 1738-1803)による『実物に基づく骨学と筋学の新作集』(1779)。18世紀の骨格図は「死の舞踏(La danse macabre)」の影響が見られる。我々が普段見慣れている解剖図の様式は案外に日が浅い。
複数視点がほぼ同一のスケールで描かれた図で学んでいくと、立体的な感覚が養われる。平面のみを手がけていた作家が、あるとき見たことのない視点で描けるようになったり、粘土などの立体像も作れるようになる。