顔の加齢は止めることができないが、どんな顔つきになるかはその人の習慣である程度コントロールできる。表情筋によって生じる顔のシワは、表情が繰り返されることで恒久的な皮線となる。笑顔が多ければ笑い皺がつき、険しければ眉間に深いシワが寄る。自分にとって素敵な環境と人生を。
いわゆる反り腰と猫背、X脚とO脚。これもリシェの美術解剖学書より。これらのバリエーションは、造形として意識的に使用できる機会や作例が少ないように思う。リシェの教育姿勢は人体の形がまず第一で、使える・使えないという人為的な判断は二の次。表現の正・誤に関しては図がない。
美術解剖学を学ぶと、自分の作品を自分でチェックできる目が養える。表面から内部構造を透過させると、ボリュームや位置関係のチェックだけでなく、デフォルメの際のコントロールも行える。より正確にデフォルメするためにはオリジナルのフォルムを知っている必要がある。
人体プロポーションは8頭身など頭身指数を用いたものがよく紹介されているが、構造の位置関係による数値を用いないプロポーションもある。例えば胸郭幅と骨盤幅(男性は胸郭幅と骨盤幅が概ね同じ、女性は骨盤幅の方が広い)。肘、手首の高さにある体幹の構造など。