無理がなく、クセのない図を描いてみたいと思って、時々見る本。シーレの師ヘルマン・ヘラーの復刻書 "MODELLE DER KÜNSTLER ANATOMIE VO HERMENN HELLER"。
信頼できる解剖図というのは、表面と深部の整合性が取れている図である。重なりによって隠れた部分の整合性が破綻した解剖図は、経験が浅い段階で使えると思っても、経験を積むと粗が目立って使いにくくなる。
『エレンベルガーの動物解剖学』でよく指摘される点。犬の図版で正面から見た頭蓋の眼窩がつながっている。これは眼窩口を示すために眼窩靱帯を描いたと思われる。本文の別の箇所で触れられているため、少なくとも著者のエレンベルガーも画家のディットリッヒも知らないわけではない。
エゴン・シーレの師、ヘルマン・ヘラーによる『エレンベルガーの動物解剖学』模写。100年を越えて多くの人がこの本に教えられた。日本語版1/31発売で予約受付中です。https://t.co/zK9x100xcQ