バメスの図。いくつかはオリジナルに辿れたが、トレースではなく、模写、改変を加えているようだ。解剖図そのままよりも、より美術的に使えるように記述に合わせて調整したのだろう。"Die Gestalt des Menschen"(1,2枚目)。ブラウスとエルツ『人体解剖学』(3,4枚目)。
体幹の屈曲と伸展に生じる溝を示す。T(胸郭ないし胸椎)とL(腰椎)はなんとなくわかるが、Uって何だと思いながら仏語本文探したが該当箇所探せず。位置的には上前腸骨棘の間を結ぶ下腹部の皮線で、スカルパ筋膜の上限とされる。引用元は前ツイートと同じ。
美術領域では、人体のサイズを把握するためや、理想体型を導き出すためにプロポーションを用いる。主に8頭身と7.5頭身があり、前者は古典作品に見いだせることから英雄体型と呼ばれ、後者はマーシャルやリシェといった医師らが提唱した平均体型。理想体型なので実際にはどちらの体型も希な存在。
先日の骨学講習会で、「美術解剖学では解剖用語よりも形状が大事」と言った割に、説明時に用語が多いという感想をいただいた。部位名称は住所であるのと、漢字の意味を読み解けば、美術にとって重要な形状を端的に示していることがわかる。